人間ドックには各種検査値に、基準値と呼ばれる数値があります。この範囲の検査数値ならば健康ですよ、という数値ですが、これを今までとは異なる新基準に切り替える可能性があることが話題になっています。今回検討されている基準値の変更点は、血圧・BMI(体格指数)・コレステロール値が対象で、これらの健康範囲を広げるというものです。つまり、今まで検査で異常値と言われていた人でも、新基準に切り替われば健康値と言われる可能性が出てくるということです。
この背景には国の医療費の問題もあります。不健康な人が増えれば、それだけ通院や薬の投与のための病院・薬局利用が増えます。すると、医療費が高くなります。その範囲を見直して健康な人の数を増やせば、病院・薬局利用が減り、医療費の負担が減らせるということです。
だいたい、年間で1兆円は削減できると言われています。もちろん、医療費の問題だけではなく今までの基準値が厳しすぎたという見方もあります。新基準になって人間ドックで病気のリスクが見逃されてしまう可能性が無いとは言えません。ただ、血圧・BMI・コレステロール値は年齢や性別でも基準値が異なるので、見直しが必要だったという事が大きいです。
人間ドックが新基準で実行されるようになれば、今までの検査結果に対しても見直す必要が出てきます。毎年行われている健康診断にも関わってくるので、日本人全体に関わってくる話題です。様々なところに影響が出てくることが予測されます。